物語? Magical chocolate cat

  Magical chocolate cat

太陽昇れば また新しい朝 今日がどんな日でも 同じひとつの朝

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お話入り口

 拙いながらも、私が書いたお話が載せてあるところです。
 あまり深く考えず読んでください。

 基本として、作者の願望がメインになっているはずです。
 こんなお話、あったらいいのにな。
 こんな展開だったら、よかったのにな。
 なので、いろいろとメチャクチャになっているかもしれませんが、気にしないで下さい。

 あと、昔に書いたものを気が向いたら載せていく予定です。
 添削だけで済むものだけを……。



▼オリジナル
Wanna be an Angel? -アデーレとレフィ-
 クリスマスの朝、少女の元ヘ新しい出会いが訪れる――。



▼二次創作

▼『マリア様がみてる』
薄紅色の朝
 蓉子視点。『白き花びら』中心のSS。
 登場人物:蓉子・聖・聖のお姉さま(白薔薇さま)・栞




 2006年12月27日更新
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[ 2006/12/25 00:00 ] 物語? | TB(0) | CM(0)

Wanna be an Angel? -アデーレとレフィ-

 聖なる日、12月25日の早朝は一面、それに相応しいかのごとく、真っ白な雪に覆われていた。
 静かにしんしんと降り積もるそれは、全ての穢れを濯ぐようにさらに厚みを増していく。
 それらに混じって、白い翼がふわり、ふわりと落ちてきた。

 朝日が地平線の彼方から顔を覗かせるのと同じくして、この物語は始まる。


 Wanna be an Angel? -アデーレとレフィ-


 アデーレは楽しみにしていた。
 今日はクリスマス。
 宗教的意味合いはともかく、子供はプレゼントを貰える日なのだ。
 だから、興奮していてなかなか寝付けなかったが、日が昇る前に目が覚めた。
 ふとんの上に置いた少し厚手のショールを羽織ると、まずは枕元に手をやった。
 ない。
 じゃあ次はベッドの下だ。
 やはりない。
 それなら机の上はどうか。
 なかった。
 それならばと、部屋中をひっくり返す勢いで探し回った。
 結果、どこにもそれらしいものはなく、アデーレは落胆した。
 私は、母様に愛されてはいないのだと――。

 ――そう、父様が生きている頃はよかった。
 穏やかな父様と、それに付き従うような母様。
 そして、生まれたときから一緒にいる、姉のようなメイド、マリー。
 みんな優しく、毎日楽しく過ごせていたことを、幼いながらも思い出せる。
 けれど、あの日々はもう帰ってこない。
 父様が亡くなったあのときから――。

 だめだだめだ。こんな顔をしていたら、天国の父様が悲しむ。
 アデーレは、悲しさを振り払おうと、背伸びをして窓を押し開けた。
 そこから見えたのは一面、白の世界。
 山の中に建つ屋敷の中からは、空も、山も、空気すら全てが白かった。
 そして、アデーレの白い息も窓の外へと踊る。
 美しさに目を奪われ、パジャマ姿のままだけれど、寒さなんか気にならない。
 手のひらがちょうど窓から出るくらいの背しかないアデーレは、舞う雪を捕まえようとめいっぱい手を伸ばした。
 そこへ雪と一緒に、違う白いものが、ふわり、ふわりと落ちて、アデーレの手に収まった。
 それは羽根と呼ぶには纏まっていて、むしろ鳥の翼のように見えるが、ところどころ焼けたように黒く焦げている。
 アデーレは器用に杖を使い、窓を閉めてベッドへ戻り、そっとその黒を手で払おうとした。
 すると、痛がるように翼が舞った。
 いや、逃げた。
「ま、待ちなさいっ。どうして逃げるのよっ!」
 逃げれば追う。追われれば逃げる。
 翼はなにも言わずに、閉ざされた部屋の中をただ飛び回る。
 お屋敷に住むお嬢様の部屋だけあって、空間だけはやたらと広く、翼が逃げ回れる場所も多い。
 アデーレは腰まである髪を振り乱しながら、とにかく捕まえてやろうと枕や猫のぬいぐるみを投げたが、翼は全てをひらりと避けてみせた。
 そんなことが10分くらい続いたが――。

「はぁ、疲れたぁ……」
 ベッドに横たわるアデーレ。
 鬼ごっこは翼が勝った。けれど、この部屋から逃げる手段を翼は持ち得ない。
 このまま、膠着状態が続くと思われた。
 そこへ、コンコンと控えめに扉をノックする音が響いた。
「お嬢様、起きておいでですか?」
「マリー? 起きてるわよー」
 気だるく返事をするアデーレ。だが、すぐさま飛び起きて扉の前に立ち塞がる。
「ちょ、ちょっと待ってマリー!」
「えっ? なにがどうしたんですか? お部屋でなにかしているようでしたがー」
「とにかく……ええと、入ってもいいけど素早くお願いね! 逃げちゃうかもしれないから」
「よくわかりませんが、なにかいるんですね? じゃあ、開けますよ……」
 そっとだが素早く扉を押し開け、部屋の中に入るマリー……が、長いみつあみのお下げを挟んでしまう。
「いったたたたっ!」
「ちょっと、もう。なにやってるのよ!」
「すみませんお嬢様、このふたつのお下げがどうにも言うことを聞かなくて……それよりも、おはようございます、お嬢様」
「はぁ……おはよう、マリー」
 顔を合わせたら、なにがあろうとまずは挨拶がレディの嗜み、らしい。
 それもつかの間、部屋の惨状を見て驚くマリー。
「あらあら、こんなに散らかしてどうしたんですか?」
 それにムッとするアデーレ。さっきまでの必死さをなんだと思っているんだ、と。
「あれを捕まえようとしていたのよ」
 ベッドの上へ戻り、足をぶらぶらとさせながら、白い翼の方を睨み付けた。
「あれよ、あれ」
 しかし、マリーはそちらを見るも首をかしげる。
「ええと、なにも見えませんが?」
「ほら、あの白い羽根の固まりみたいなの。見えないの?」
 少し苛立ちながらアデーレが言うも、やはりマリーには見えない。
 ふと、アデーレがマリーの手を取ってそれでその方向を指すと――
「あれ? 私にも見えましたよ、羽根の固まりがひらひらしてますね」
「ほら、見えるんじゃない。どこを見ていたのよ」
 そう言って手を離すと。
「あ、見えなくなっちゃいました」
「え、なんで?」
 手を繋ぐと――。
「見えましたよ。不思議ですね」
 幼いながらも、聡いアデーレはさすがに気づいた。
「そっか、私と手を繋がないとマリーには見えないんだわ」
「いいですね、お嬢様にはちゃんと見えて。羨ましいですー」
 そうは言われても、特に嬉しくもなんともない。見えなければ気にすることもないのに。
「まあいいわ。マリー、あれを捕まえてくれるかしら?」
 おっとりしているマリーだが、頭の回転はいい方。ちょっと思案すると、切り返しを試みた。
「いいですけど、その前に話し合った方がいいと思いますよ?」
 唖然とするアデーレ。
「話し合う? あの翼と?」
「はい。なんでも平和が一番ですからねー」
 アデーレも考えた。ふたり掛かりでも、きっと捕まえられないだろう。
 無駄に暴れて疲れるのはもう、うんざり。一度決めるとアデーレの行動は早い。
「じゃあそうしてみましょう。ダメならマリーがなんとかするのよ」
「えー……はい、わかりました。とにかく、お話してみましょう」
 ふたり手を繋いで、翼が警戒しないようにゆっくりとその真下まで移動してみる。
 翼はそれをじっと見詰めるように身動ぎしない。
「ねえ、あなた。言葉はわかって?」
 半ば、ばかばかしいと思いながらも翼に話し掛けるアデーレ。
 ややあって、翼が縦に揺らいだ。
「お嬢様、今のが返事かもしれませんっ! もう一度、です」
「言葉がわかるのならお話しましょう。もう捕まえたりしないから、ね?」
 すると翼はふわり、ふわりと揺らぎながら、警戒するように、けれど少しずつ降りてきて、ベッドの上へ横たわった。
「お嬢様凄いです! 賢いんですね、この子!」
 翼と話せる、なんて誰が考えるだろうか。マリーの素直さが羨ましくなる。

 ――そう言えば、マリーは不思議なお話がとても好きだったっけ。
 愛読書は『不思議の国のアリス』で、私が眠れないときには必ず読み聞かされたから、今ではそらで思い出せる。
 だから、こんな不思議なことにも動じないんだわ、きっと――。

「とにかく、興奮しないでマリー。また逃げちゃうでしょ」
「はぁい。じゃあお嬢様、なにか話し掛けてみてくださいよー。早くっ」
 完全に地が出っぱなしのマリーをよそに、会話に入るアデーレ。
「まずは自己紹介からしましょうか。私はアーデルハイト=ベーレンドルフ。アデーレでいいわ。って、あなた話せないのよね」
 縦に揺れる翼。うんうんと言うように。
 そこへマリーがアデーレの袖を引っ張った。
「ねえねえ、私も紹介してくださいよっ! 私の声じゃ届かないかもしれませんし」
「はいはい、こっちはメイドのマリアンネ。みんなマリーって呼んでいるわ」
「ありがとうございます、お嬢様。これでもうお友達ですよねっ!」
 少し傾げたような翼だが、気分がいいのか嬉しそうにくるくると回っている。
「そうは言っても、話せないんじゃ困るわね……っとその前に、黒くなっているところは大丈夫なのかしら」
「あらあら、けがをしているみたいですね。ちょっと見せてもらえますか?」
 少しためらいながらも、翼は黒く焦げた先の方をマリーの方へすっと向ける。
「やっぱり、けがみたいですね。お薬を塗ってみましょうか」
 アデーレの机の引出しから薬箱を持ってくるマリー。アデーレがよく庭で擦り剥いたりするので、薬箱が各部屋に置いてあるのだ。
「ちょっと沁みるかもしれませんが、我慢してくださいね。まずは清めの聖水と、消毒液……ってあれ?」
 聖水をかけた途端、黒い部分が真っ白になり、それだけでなくその先へ大きく羽ばたくように伸びた。
「わ、綺麗……」
「わー、素敵ですねー」
 ふたりから感嘆の声が挙がる。
 そして、その翼はベッドの上で変化し、人の形をとった。
 銀髪で美しい、男の子とも女の子とも言えない中性的な面持ちした、アデーレと同じくらいの背丈に。
 だが、裸だった。
「きゃっ! ふ、服くらいちゃんと着なさい! レディの前ではしたないわよっ!」
 そして男の子だった。
 同い年くらいの子の裸を見ることがなく、免疫のないアデーレはふとんの中へ逃げ込んだ。
「お嬢様、そんなこと言っても、産まれたての赤ん坊は服を着ていないのですし。それと、お嬢様が手を離されると私には見えないのですが……」
「ああもうっ! 目を瞑っているから早くなにか着せてあげなさいっ!」
 混乱するアデーレの手を掴みながら、マリーはやはり平然とその子を観察している。
「とは言いましても、この子が着られる服はお嬢様のものくらいしかありませんけれど、それでもよろしいですか?」
「勝手になさいっ!」
「はーい。じゃあこっちへいらっしゃいね。ほら、お嬢様も」
 こくこくと頷くその子とアデーレを片手ずつ引っ張り、クローゼットの前であれやこれやと着せ替えを始めるマリー。
「こっちがいいかしらねー。でもこっちも似合いますし」

 マリーがあれやこれやと、その子を使っての着せ替えごっこが始まった。
 これが始まると、とても長くなってしまう。それでアデーレがいつも嘆いていた。
 ――マリーに新しい服を買ってきてもらうと切りがないんだから。
 アデーレはお屋敷のお嬢様。だから、たくさん服はあるけれど女の子のものしかない。
 片手で器用にレフィを着せ替え人形にするマリーだが、違う意味で悩んでしまっていた。
「どれも似合ってしまって困っちゃいますねー」
 とても綺麗な子なので、服の方が近寄って似合わせてしまう、そんな力があるのかもしれない。
「それにこの子、背中から鳥みたいな翼が生えてますよー」
「え、翼? どこどこ……ってまた着てないじゃないのっ!」
「はいはい、早くしますねー。じゃあどれがいいですか?」
 口をぱくぱくさせるもまだ話せないその子は、青い動きやすそうなジャンパースカートを手に取った。
「それはお嬢様が一番のお気に入りなんですが。よろしいんですか?」
「もうなんでもいいわよ。好きにしてあげなさい」
 けれど、着せようとするも、後ろで留めるボタンが締まらない。
「翼のせいで締まりませんよー。お嬢様……」
「いいわよ、切っちゃっても」
 なにもかも諦めるようにアデーレが応えると、マリーは翼を出すために切込みを入れた。
 すると、その穴からバサッと翼が飛び出してきた。
 その音で、アデーレもようやく目を開け、それを見詰める。
「さっきまでの翼がそのまま小さく付いたみたい。本当に天使様みたいね」
「でも、聖書やお話に出てくる天使様なら、両翼が揃っているはずなのに、片方しかないんですねー」
 それに対して、今まで出てこなかった答えが返ってきた。
「そうみたい……コホッ、です。記憶が曖昧でよく思い出せないのですが、取られちゃったのでしょう」
「しゃっ」
「喋りましたー! しかも、声まで綺麗ですねー」
「少しずつですが、力が戻ってきたみたいです。全快には程遠いような気がしますが」
 誉められ頬を赤らめながらも、毅然としてはっきりとした声で答えられるようになって来た。
 言葉から、その子の知性が覗える。きっと賢い子だ。ふたりはそう感じた。

 ようやく落ち着き、余裕の出てきたアデーレは、今日がクリスマスであったことを思い出した。
 プレゼントの代わりに降ってきた“それ”に向かって。
「でも、あなたが本当に天使様なら、助けたお礼になにか願い事でもかなえてくれるのかしら?」
「お嬢様、そんなことを言っては罰が当たるかもしれませんよー。枕とかぬいぐるみまで投げてしまったのに」
 思い出したくもないことを指摘され、バツが悪そうにふてくされるアデーレ。
「あはは、それくらいで罰を当てていては、神様も大忙しでしょうね」
 そう言って鈴を転がすように笑うその子に、アデーレはドキッとしてしまった。
 顔立ち、髪、翼、そして声。全てが美しいその子を前にすると、もう視界から離せない。
 でも、そんなことはないんだと無意識にそれを振り払うように、アデーレは気丈に振舞おうとする。
「ふんっ、お母様からクリスマスにプレゼントは貰えない。助けた天使様はなにもしてくれないじゃ、踏んだり蹴ったりだわ」
 ――ただのだだっ子だった。
「お嬢様……」
 おろおろするマリーにその子は少し微笑むと、アデーレの前に片膝をつき、その左手を右手で軽く取った。
「それじゃ、僕が君に、アデーレが望むものをひとつだけあげるよ」
 そう、サファイアの瞳がエメラルドのそれを見詰め、答えを待つ。
「……なんでも?」
「なんでも、と言っても僕の力が及ぶことしかできないけれど」
「なんでもですってお嬢様! なにを願います!? お洋服とか、お出掛けさせてもらえるようにするとか――」
 ちょっと遠くへ行ってしまったマリーをよそに、アデーレは願いを決めた。
「そうね……それなら“ずっと私と一緒にいてくれる”ってのはどうかしら?」
「アデーレと、ずっと?」
「そう、ずっと。できる?」
 明後日の方向から帰ってきたマリーが、今度は真面目に、懇願するようにその子へ向かう。
「お嬢様は学校へも通われず、ずっとこのお屋敷とお庭から出てはいけないことになっているのですよ」
「そう、だから毎日退屈なの。あなたがいれば、少しはマシになるかもしれないでしょう?」
 諦めの中に、ひとつの希望が目の前にある。アデーレはそれを逃したくはなかった。
 だから、本当は縋りついてでも願いたかったが、それを性格が許してくれない。
 けれど、その子はいとも簡単に答えた。
「うん、わかった。僕はアデーレとずっといることを約束するよ」
「良かったですねお嬢様! 私以外の人と……人じゃなくて天使様? とも遊べるなんて」
 自分のことのように喜ぶマリー。
 呆然とするアデーレ。
 そしてそれらを静かに見詰めるその子。
「……えっと、本当にいいの?」
「アデーレが本当に望んだことなのだから、僕が断るわけがないよ」
「あ、あ……」
「お嬢様、こういうときはちゃんと、ね」
 マリーが背中を軽く押すと、アデーレの感情が一気に爆発した。
「あ、ありが……とう。う、うわぁっ……」
 泣き顔を見られたくないアデーレは、その子の背中に回って羽根に顔を押し付けた。
 驚いたその子だったが、背中から回される両腕をそっと取った。
 そして、その外からマリーがふたりを包み込む。

 幸せの始まりだった。


 ひとしきり泣いて落ち着いたアデーレが、思い出したように言った。
「いつまでも“あなた”じゃ他人行儀だわ。名前、ないの?」
 そう言えば、まだ誰もその子の名前を知らない。その子自身も。
 少し考えると、ひとり納得したように、その子は告げた。新しい名前を喜ぶように。
「“レフィ”って呼んで」
「レフィさんですか。いいお名前です。これから、お嬢様のことをよろしくお願いします」
 マリーはレフィを細い腕で抱きしめ、想いを篭めた。
「ありがとう、マリーさん。でも、マリーさんも一緒に、でしょう?」
「そう、ですね。はい、私も一緒にいさせてくださいね」
 こちらの挨拶が済み、ふたりがアデーレを見ると、大事なものを胸に抱えるようにしていた。
 そして、呟いた。
「レフィ……うん、レフィ。これからずっとよろしくね!」
 アデーレはレフィの手を取ると、くるくるとふたりで回りだした。
 目が回って倒れるまで――。



 ――暗い闇の更に奥深く。

「アスリーか。どうした?」
 名を呼ばれた桜色の長い髪に両翼の色が違う少女が、暗闇から出てきて答える。
「主様の一翼が見つかりました。人の子と契約を結んだようです」
 それを聞いたその者は、座ったまま口を少し上げたように見えた。愉しむように。
「ほう。だが、力はそれほど大きくあるまい。捨て置いてもよいのではないか?」
「はい、記憶の混濁が見られ、力は今のところ、ほぼないに等しいかと。ただ……」
 そこで少女は言い澱んだ。悪戯を見つかり、叱られる子供のように。
 それを急かすでもないが、ゆっくりと威厳ある声でそれを問うた。
「ただ、なんだ?」
「その、あの一翼は――」
 そこで主と呼ばれた者が言葉を手で制した。それで全てを察し得たからだ。
「干渉する必要はないが、監視だけはしておくように。頼むぞ」
「それで……良いのですか? 少しでも力を取り戻せるに越したことはないでしょうに」
「そうでもないさ。大き過ぎる力は、慢心を呼び込むことになる。違うかアスリー」
「主様がそう仰るのであれば、私に異存はございません」
「ふふっ、人の子とアレとがどういう結末を迎えるか、楽しみじゃないか」

 少し不安そうなアスリーと、退屈から少し開放されたように喜ぶ、主と呼ばれる者。
 なにもかもが対照的なふたりは会話を終えると、入れ直した温かい紅茶を啜った。

[ 2006/12/25 00:00 ] 物語? | TB(0) | CM(0)

薄紅色の朝 -マリア様がみてる SS-

 カーテン越しに差し込む薄紅色の優しい光に誘われ、私は目を覚ました。
 まだ寝ぼけた眼の前に広がるのは、見覚えのない天井に知らないベッド。
 ここはいったい、と考えて体を起こそうとするも、強い力によってそれは遮られた。
 一瞬、これが噂の金縛りかとも思ったが、どうやらそれも違うらしい。

 では、この状況は一体何なのだろう。

 横になりながら、首だけを回して左を向くと、カーテンを通してうっすらと太陽が覗える。視点を移動させると、立派な勉強机とドアが。
 そうだここは……と、ベッドを抜け出そうとするがまたも邪魔をされた。この力をなんとかしない限り、私は起きられない。
 その正体を確かめるために、寝返りを打つようにして今度は右を見た。
 思わず出そうな声をなんとか堪える。なぜなら、よく見知った顔が眠りの真っ最中だったから。
 親友と言って差し支えない。だが、これはどうかしている。一緒のベッドで寝ていること自体が、常軌を逸しているのだ。
 しかも、その両腕でしっかりと体を抱き締められている。
 私は何がなんだかさっぱりわからないまま、今までの人生で最大級の困惑に満ちた朝を迎えた。


 -薄紅色の朝-


 とにもかくにも、ここまでに至った経緯を整理してみよう。
 私は、寝起きの頭をフル回転させ始めた。


 昨日のはずのクリスマスイヴ。
 私は山百合会の、だが聖のいないクリスマスパーティーを終えた後の学校帰りに、M駅中央線快速東京方面のホームで栞さんを見かけた。その視線を追うと聖がベンチに腰掛けている。
 どちらも私服。イヴなのだし、待ち合わせをしているのだろうと思ったが、栞さんは遠くから立ったまま聖を見つめ続けるだけだった。
 そして、涙しながら独りで東京行きの快速に乗ろうとする彼女。
 私は迷った。栞さんを追うか、それとも聖に声をかけるか。
 結局、私は彼女と同じ電車に乗り、動向を見守ることにした。いつもとは違う雰囲気に不安を覚えたから。
 それに、彼女を待っているであろう聖はきっとあそこから動かないだろう。
 後を追うと終点の東京駅に着いた。彼女は真っ直ぐに新幹線乗り場へ向かっている。どこへ旅立とうとしているかはわからない。けれど聖を残し、何もないまま去らせるわけには、いかない。
 私が声をかけると、彼女はとても驚いたものの、逃げようとはしなかった。
 問い詰めると、聖と駆け落ちするはずだったが、思い直して学園長と決めた転校先へ旅立とうとしていた。もう二度と戻ってくるつもりはないと言う。
 私はそれを一旦引き止め、手紙を書かせようと思った。
 私からこのことを告げても、きっと聖には事実として受け止めることが出来ないだろうから。
 栞さんは、私の提案を受け入れてくれた。
 さらさらと零れる涙をそのままに想い書き連ねるその姿は、とても綺麗だと感じると同時に、彼女の強さをも印象付けるものとなった。
 私は手紙を受け取って彼女を見送った。
 引き止めることなど考えもしなかった自分は、一体何を望んでいるのだろうと考えながら――。

 M駅まで戻って聖の姿を確認し、一応の安堵を覚えると、私はすぐに白薔薇さまへ電話をした。
 白薔薇さまは少し考えた後、私にとりあえず一旦帰宅し、そのときにもう一度電話をするようにと言った。理由を尋ねると
「今日、いえ明日ね。明日になったら三人で深夜の誕生会をしましょう」
 そう。忘れようはずもなく、明日はイエズス様の生まれた日であると共に、聖にとってもその日なのだから。
 帰宅し、母へ食事は外で、ごめんなさいと言って断わると、再度白薔薇さまに電話をし、外泊する旨を母に説明して貰った。
 楽しんでいらっしゃいと快い承諾を得た私は、身支度を整えると待ち合わせのM駅へと戻った。

「あら、早かったじゃない」
 M駅へ約束の三十分前に着いたはずなのに、白薔薇さまは既に改札の前で腕を組みながら笑顔で待っていた。
 二回目の電話を切った直後にはここへ向かっていたに違いないと、勝手だけれど確信がある。
 白薔薇さまは、周りからは聖を放任主義にしている様に見えているだろうが、実のところはとても気にかけているのだから。
 話もそこそこに、二人で八王子方面行きのホーム階段の影から聖を確認する。
「ほら、まだいるわよ。ホント、しょうがないんだから」
 遠巻きに見つめるその瞳は、マリア様を思わせるくらいの慈愛に満ちていた。それは、栞さんへ向けられているものなのだが。
「さて、もう十一時。私はあの子のところに行くから、蓉子ちゃん、貴方は南口を出た方にあるレストランで席を取っていてくれるかしら。あと、栞さんからの手紙、預かっていい?」
 私は頷くと、ショルダーバッグからそれを出して、白薔薇さまに渡した。
「ありがとう。じゃ、ちょっと行って来るわ」
 柔らかい笑顔でそう言うと、聖の元へ向かって行った。
 聖のいるホームを歩きながら、こちらを向き軽く手を振る白薔薇さまと、ベンチに座りながら俯いている聖とを交互に見やった後、二人が出会う前に私は改札を後にした。
 その時、ふと胸が軋んだような音を立てた気がした。私はこれの正体を知っている。
 嫉妬だ。
 私に聖を連れ戻すことが出来ないとは思わない。けれど、白薔薇さまの方が適任なのは明らかだ。
 肝心なところで友人の力になれなかった、自分への非力さに苛立っているのかもしれない。
 そんな暗い気持ちになりながらも足は勝手に進み、二十四時間営業のレストランの前に着いていた。
 私は入り口から中に入ろうと掴んだドアの取っ手を――引かずに、そのまま離した。
 栞さんのことでは聖のために何も出来なかった私だけれど、せめて、せめて同じ寒さくらいは感じていたい。
 独りだけぬくぬくと過ごすことは、どう考えても許されなかった。

 結局、レストランの外で手に息を吹き掛けながら、二人を待つことにした。
 慌てていたのか、家を出るときに手袋を忘れてしまっていたのだ。
 普段の私らしくないミスに苦笑いながら更に待っていると、白薔薇さまに肩を抱かれた聖の姿が見えた。
 思うより早く、駆け出していた。
 聖の目の前に立ったものの、すぐに言葉が出てこない。
 言いたいことがたくさんありすぎて、どれから伝えればいいのかわからなかったから。
「心配かけて、ごめんなさい」
 聖が先に口を開いた。
 驚いたが、その言葉が思ったよりもしっかりしていたので、少しだけ安心することが出来た。
 私は思い出し、コートのポケットの中を探り、紙袋の中からかたまりを一つ取り出すと、それを聖の口に押し付けた。
 昨日、聖も出るはずだった、クリスマスパーティーで出された令ちゃんの作ったクッキーを、聖の分として少し貰っていたのだった。
 それを食べると、聖ははらはらと泣き出した。それは悲しみの涙でなく、きっと少し気が休まったからなのだろう。勝手だけれど、そう感じた。
「さあ、行きましょ」
 そんな私たちの背後へ何時の間にか回っていた白薔薇さまは、その肩に手を回すと押し出すようにして歩き出した。
 レストランではなく住宅街の方へ。
「お姉さま、どちらへ?」
 聖が尋ねた。
「私の家。聖のお母様には、さっき泊まらせるって電話しておいたから。三人でパーティーをし直しましょう」
 その前にレストランへ寄るのではなかったのか、その疑問の答えを考えながら歩き続けていると、程なくさっきの言葉に対して合点がいった。
 白薔薇さまがさっき私をレストランへ向かわせたのは、聖を説得する時間が読めないから、私がその間に寒い思いをしないようにと慮ってのことなのだと。
 聖と栞さんを見かけてから、私はずっと聖のことだけを考えていたけれど、白薔薇さまは私のことまで気遣ってくれていたのだ。
 少し悔しかった。
 けれど、さっきの嫉妬ではなく、逆に目標のようなものが出来たことに嬉しく思える。
 私がそんな少し未来のことを浮かべながらいると、不意にベルが鳴り響いた。
 ビクッとした私と聖をよそに、白薔薇さまはバッグからあろうことか、目覚し時計を出して音を止めた。
 そうかこれは――白薔薇さまを見ると頷いて止まったが、聖だけは何かわからず二歩程前に踏み出していた。
 不思議そうにこちらを向くその顔へ、白薔薇さまと共に
「ハッピー・バースデー!」
と、叫んだ。
 夜中だったけれど、これくらいは構わないだろう。
 今日は年に一度、大切な人の誕生日なのだから。

 住宅街を歩いているうちに、程なく一軒の家の前で白薔薇さまの足が止まった。
「ここよ。一応静かにお願い」
 そう告げ、鍵を外し静かに扉を引くと、私と聖を中へと導いた。
 玄関で靴を脱ぎ、出されたスリッパ履き、階段を軽くギシギシと音を立てながら二階へ上がり、最初の部屋に通された。
 入ると、そこはとても暖かかった。少し暑いくらいに。
 白薔薇さまが暖房を消し忘れて出かけた、なんてことはないだろう。
 聖の体が冷えているであろうことを考慮しての、白薔薇さまの優しさに思えた。
「何もないけどゆっくりしてね。あ、コートはクローゼットの中の空いているハンガーを使ってくれたらいいから。聖、私のをお願い」
 早口にそう言うと、白薔薇さまは階下へ降りて行った。
 とりあえず初めてということで、私は部屋を見回す。
 まず目に入ったのは、部屋の真ん中に無色透明なガラス台のテーブル。
 それから左奥のクローゼット。右奥に少し大きめのベッド。右側壁の窓に薄紅色のカーテン。
 ドアを入って右手前に勉強机。左側の壁に本棚。題名を見るが、あまり一貫性がないように思える。
 置かれている品のそれぞれが、簡素でシックなものばかり。
 さっぱりとした白薔薇さまの性格と、趣味の良さを表しているように感じた。
 本だけは少し例外のようだけれど。まるでそう、江利子のそれと似ているのかもしれない。

「蓉子、はい」
 不意に呼ばれた方へ振り向くと、聖がこちらを見ながら腕を出している。
「コート、掛けてあげるから貸して」
 私は少し驚きながらも、聖にコートを手渡した。
 黙々と私のコートをハンガーに掛ける背中を見ながら思う。
 聖は、つい一時間ほど前に『失恋』と呼べるものをしたはずなのに、もう他人を気にかける余裕があるのだろうか。
 いや違う。
 きっと、何かをしていないと落ち着かないのだ。
 そして私は、そんな聖を一瞬でも放ったらかしにしてしまったことに少し後悔した。
 今は、私と白薔薇さましか聖のことを見てあげられないのに。
 けれど、私のそれも傲慢かもしれない。
 本当に他人の気持ちがわかる人なんて、いるはずがないのだから。
 でも、それでも私は――。
「はい、お待たせ。温かい飲み物、持ってきたわよ。ストレートやレモンよりいいと思って、勝手にミルクティにしたけれど」
 白薔薇さまが片手でお盆を持ちながら入ってきて、テーブルの上にそれの注がれたティーセットを置いた。
 ガラスと陶器の触れる音が三回響く。
 私は本棚側、聖がベッド側、白薔薇さまは窓の方に座った。と思いきや、白薔薇さまはすぐにお盆を持って降りて行き、また戻ってきた。
 今度はフライドチキンで、某チェーン店のクリスマスセットらしい。
「クリスマスにはこれがないとね!」
 そう強く断言しなくても、なんて思いながらも異論はなかった。
 夕方のクリスマス会で軽いお茶程度はしたものの、聖と栞さんを見かけてからずっと緊張していたのが解けて、もうおなかがぺこぺこだったのだから。
 それは白薔薇さまも同じく、聖に至っては朝から何も食べていなかったらしい。
 そんな三人でバスケットの中をつつくと、即座に合計七本の残骸を作ることに成功した。ちなみに、一番の戦果を上げたのは聖。
 食べることは生きていくことと同じ。私はもちろん、白薔薇さまももう大丈夫と安心した様だった。

 最後に持ってこられたのは、もちろんケーキ。
「はい、ここからは聖の誕生会。でもクリスマスって、誕生日用のケーキをほとんど置いていないみたいなの。で、結局これなんだけど我慢して頂戴」
 そう言ってテーブルに置いたのは、イチゴがケーキの天辺に載せられる限度に挑戦したようなものだった。
 大きさは五号(一五cm)くらい。斬ると、きっと中の層もイチゴでいっぱいに違いない。
「あと、これも」
 薄くて高そうなワイングラスに注がれていく液体。炭酸が音を立て、部屋中に葡萄のいい香りが広がっていく。
 それが終わると、白薔薇さまはケーキのど真ん中に一本だけロウソクを立て、火を点けて部屋の電気を消した。
「じゃあ、イチニサンはいっ」
 白薔薇さまの掛け声と共に『ハッピー・バースデー』の合唱が始まった。と言っても、白薔薇さまと私の二人だけれど。
 その歌われている間、聖は苦笑いしているのかと思えば、神妙な面持ちでロウソクの炎を見つめていた。
 昨日の一日だけで、本当に色々あったに違いない。そして想うのは、やはり彼女のことだろうか。
 また、胸が軋んだ。さっきよりも強く。これも同じく嫉妬なのだろうか。
 考えるも、答えはどこからも出てこなかった。……ってだめだ、今は楽しまないと。
 私は、その考えを頭から吹っ切るようにした。
 歌が終わり、それぞれのグラスを掲げて
「カンパーイ!」
 三つの声がグラスを合わせる音と共に一つに重なる。
 それを飲むと、とても美味しい……って、これってシャンパンのような気が。
 怪訝な顔を白薔薇さまへ向けると
「そうよ。まぁ、今日くらい固いこと言わない言わない。なんてったっておめでたい日なんだから」
と、既に二杯目を注ぎ、私にもボトルを差し向ける。こうなったらとことん楽しんでやると決め、グラスを預けた。
 聖を見ると、その顔が赤い。もしかしたら、意外とお酒に弱かったりするのかもしれない。

 この辺りのことは、あまり覚えていない。
 ケーキは程なく食べ尽くされ、シャンパンのボトルは三本まで増えていたはずだ。
 その間に交わした会話は、聖と白薔薇さまの馴れ初めや、私と聖の出会いやこれまでのことを笑い話に盛り上がった。
 聖もただ黙って笑われるなんて事はなく、度々反撃してきた。主に私に向かって、しつこいだのお節介だのと言うばかりだったが。
 そんなふうに語り合う中、白薔薇さまがすっと立ち上がって
「ちょっとお風呂に入ってくるわね。上がったら、貴方たちも入りなさい」
 そう言うと、私の肩を一つ叩き階下へ降りて行った。

 二人きりになると、途端に静かになった。
 このとき、私の酔いは既にほとんど覚めていた。だからはっきりと思い出せる。
 最近二人のときは、大抵私が聖に対して一方的に話すことが多かったのだけれど、今日は何を話せばいいのかわからなかった。
 聖がベッドの横にもたれながら天井を見上げているので、私もその隣に座って同じように真似てみた。
 だが、特に変わったものが見えるわけでもなく、白い天井と蛍光灯があるだけで、目新しいものは何もない。
「蓉子とはさ――」
 しばらく二人で天井を眺めた後、聖が不意に口を開いた。
「――ホーント色々あったわね。中学からだから、もうすぐ五年か。お節介にもどんどん磨きがかかるし」
 それは貴方のせいよ。そう言おうとしたが、それより先に
「でも、感謝してるわよ。気にかけてくれてることや、他のことでも色々と。こんな私なんか、見捨ててしまえばそれだけでも楽になれるだろうに。だから、本当にありがとう……」
 驚いた。聖から「ありがとう」なんて言葉を聞くのは、一体いつ振りくらいになるのだろう。
 それを聞こうとしたら、ふと左肩に軽く重みがかかった。見ると、綺麗な顔が静かに寝息を立てている。
 言いたいことだけ言って独り寝てしまうなんて、相変わらず勝手だ。でも、そんな貴方から目が離せなくなったのは、いつの頃からなのか。
 私のお節介からの口げんか。これも数え出したらキリがない。それでも、私たちはずっとこれまで友人をやってこられた。親友と言い換えてもいいと思う。
 それはただ、それだけのことなのだろうか。なんて、時々思う。
 けれど、今すぐその答えを出そうとはしない。今までずっと出なかったのだし、この瞬間、肩にかかる幸せだけで私にとっては十分だった。
 私も聖の方へと体を傾ける。疲れのせいもあってか、自然とまぶたが落ちた。
 と思ったのもつかの間、扉が開いて白薔薇さまがお風呂から上がってきたのだった。しかもバスタオル一枚で。着替えを忘れてしまったらしい。
 そんな姿のまま私たちを見て、
「あらあら、仲がいいわね。ちょっと妬けちゃう」
 なんて言いながら、クローゼットからパジャマを出して着込んだ。
「じゃあ、聖をベッドへ乗せるわよ」
 それが終わると、今度は
「蓉子ちゃんも」
 そう白薔薇さまに言われてベッドに潜り込んだ……気がする。
 自分の意志では、きっと恥ずかしくて出来なかっただろうから。
 白薔薇さまは、聖の顔を愛しげに眺めた後、私に向かってこう言った。
「この子、自分では独りがいいと言いながら、決して独りでは生きていけないの」
 そう、悲しそうに目を伏せた。
「だから蓉子ちゃん、私の勝手だけれど、聖のことお願い」
 今まで見た中で、白薔薇さまの一番真剣な目だった。
 私は頷くと、暖かい手に頭を撫でられながら眠りに落ちた。


 そして、起きたらこの状況。
 ようやく納得のいった私は、聖が目覚めたときにどうしようかと考えた。
 一つ驚かせてやろう。昨日、私に苦労を掛けた罰として。
 その方法を思いついたとき、隣のお姫様がゆっくりと目を開けこちらを向く。もちろん私を抱き締めたまま。
 最初は寝ぼけているようだったが、事の異常さに気付くと私を解放して起きようとする。
 けれど、今度は私の方が羽交い絞めにして離さなかった。そして
「おはよう、聖。昨日は素敵だったわよ」
 そう言って微笑むと、頬に小さくキスをした。
 私はきっと、この薄紅色に染まった顔を、一生忘れることはないだろう。
[ 2006/12/25 00:00 ] 物語? | TB(0) | CM(0)




天使の羽根を踏まないでっ

  
  

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